大館・北秋田芸術祭2014「里に犬、山に熊。」【大館市編】

皆様 新年あけましておめでとうございます。

昨年開催されました、大館・北秋田芸術祭2014「里に犬、山に熊。」も無事に終了することができました。会場に足を運んで下さったみなさま、ボランティアでご協力頂いたみなさま、その他様々な手助けをいただき本当に感謝しています。
芸術祭中はこちらのブログでは活動をご報告できずじまいで申し訳ありませんでした。
期間中はFacebookの芸術祭ページで随時情報を流していました。
facebook芸術祭ページはこちら

さて、新年も無事明けまして今年もいろいろと頑張っていきたいと思います。

まずはこちらのスタッフブログでも芸術祭の総集編としてご報告していきたいと思います。
2014年、ゼロダテとしては8年目の活動となる年、国民文化祭に合わせ大規模な芸術祭として開催しました。大館市、北秋田市は桂瀬、阿仁合、根子地域と広範囲での開催となり今までにない展開ができたとおもいます。

全てをご紹介するのは長くなってしまうのでまずは大館での展示、イベントを中心に。(大館だけでも長くなりますが、、)
全体の概要は芸術祭特設サイトをご覧下さい。
今回のサイトやポスターチラシ等、デザインをシンプル組合さんにお願いし制作しました。ドイツと日本を拠点に活躍するユニットです。

さて、それでは大館市の大町商店街の展示から覗いていきましょう。

【高橋よしひろ】 会場:旧JTB店舗
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原画展の様子


「銀牙-流れ星 銀-」や続編の銀牙伝説シリーズなどで、世界的にも人気の漫画家、高橋よしひろさんが今回はじめて大館で原画展をしてくださいました。

芸術祭のポスターや、なんとこの芸術祭のために書き下ろしの作品までご提供頂きスタッフ一同大感動したのを覚えています。
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                描き下ろし作品


高橋さんが描く熊では過去一番優しげな熊になったのでは。「里に犬、山に熊。」というテーマを素晴らしい作品で表現して頂きました.

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高橋よしひろ先生と大型作品。


さらに、今回話題となったのは、大型のバナー作品。高橋さん本人も大館に来た際に実物を目にし、この作品、実は一番気に入っている絵だとおっしゃっていました。

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芸術祭ポスター(左が高橋さん作品「銀河伝説WEED」より)


【増田拓史】 会場:旧佐藤食堂
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展示会場

かつて食堂として使われていた店舗で展示していただいたのは増田拓史さん。
「大館食堂プロジェクト」と題して、会期前より大館入りし地元のお母さんたちが作る家庭料理をリサーチ。郷土料理というよりもその家庭に代々受け継がれてきた味や物語を探求。その取材の模様が映像として楽しめる展示となりました。

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事前リサーチの様子(根下戸にて)


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大館での数々のリサーチの模様は「ODATE SHOKUDO PROJECT〜大館の食と街の記憶〜」として1冊の本にまとめられ、それぞれの料理のレシピを制作し、お母さんたちへのインタビューも収録された読み応えある作品となりました。現在もゼロダテアートセンターにて販売中です(1冊/500円)


【アプリュス】  会場:旧ボンジュール1階
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展示会場

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地元の端材を活用し、工房として体験型の展示、ワークショップを展開したアプリュス。アーティストのWQさんが滞在制作を行いながら日々、違った表情を見せる作品の変化に来場者はたびたび会場を訪れたりとその様子を楽しんでいるようでした。肌触りの心地よい木材を使って、その場で作品づくりに参加できるプログラムは子供たちや、近所の老人ホーム、デイケアサービスのお年寄りも立ち寄る交流の場となりました。
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10/25.26に行われたランプシェードづくりワークショップの様子


【岩井成昭】  会場:旧ボンジュール2階
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展示会場

赤い布の壁と大鏡の間に立つとその鏡には岩井さんが秋田での暮らしで感じた出来事が赤い鏡文字で綴られていました。鑑賞者は、自らその赤い文字のある鏡に写りこみ、手鏡でその文字を写して読んでいきます。小さく、角度によっては見にくいその文字は、鏡の前の、今の状況のように秋田で暮らしている秋田人には見えにくい事実かもしれません。それでも、ハッとする内容に次はと苦心しながら、その文字を読み進んでしまう作品でした。

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鑑賞者は手鏡を使って作品に書かれたメッセージを読むことができる


10/26に開催されたトークイベントにはたくさんの来場者があり、秋田について作品について、そのほか様々な話を、芸大同期でもあるゼロダテの代表中村と語りあいました。
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会場の様子


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トークの様子(右が岩井さん)


【納谷学+納谷新】 会場:又久書店
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展示の顔ハメで楽しんでいる様子


店舗シャッター前に架空の本棚がプリントされた写真作品が展示されました。そこに収められている本の表紙や背表紙には、ご当地看板のように顔を入れる穴が開けられていて、来場者はその写真作品の後ろに入り込んで記念撮影をすることができます。一枚の写真に芸術祭来場の記念が収められるとともに、その人自身が作品を担う一部として、道行く人に鑑賞される。来場者同士のにこやかなコミュニケーションを生む作品となりました。

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ののも顔ハメに挑戦


【Lani(Xchange)】  会場:旧えちよね呉服店
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Xchangeにより交換された商品が並ぶ


「お金をかけない、循環型経済でファッションを楽しむ」をテーマに、洋服、雑貨、おもちゃや絵本など、持ち主の想いの詰まったアイテムを交換という手段で流通させるのが「xChange(エクスチェンジ)」。モノの価値だけじゃない、モノのもつ思い出や由来とともに、服や絵本は次の持ち主へと譲られていきます。全国各地で開催され、新しいモノの循環システムとして注目されている「xChange」が芸術祭展示に登場しました。
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会場の様子


主催グループLaniは、大館で「xChange」を行なっている市民グループ。彼女たちと展覧会運営スタッフにより、会期中毎日行われ、フリーマーケットとは違う「交換」というシステムに、多くの市民が会場を訪れて楽しんでいました。交換時に持ち込んだアイテムにまつわるエピソードで交流が生まれ、リピーターも多く来場した会場となりました。

また会場入口ドアには10月4日に行われたファッションイベント「大町おしゃれスナップ撮影会 meets OZマガジン」で撮影された市民の写真も展示されました。

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スナップ写真の展示


【アトリエオモヤ】  会場:イトウビルド管理店舗
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天井から吊るされた大きな白い筒の下に入り込んで上を見上げると、筒の底に張られた布越しに色とりどりの小さな光の粒が見えます。それは光を透かしたビー玉で、触れた点からスルスルと逃げます。筒の中に入れられたビー玉に上からライトを当てて、レンズのように光を集めたビー玉を布越し鑑賞し、触れて遊ぶ簡単な構造。けれども、光の粒を追いかけるインタラクティブなこの作品は、ただ単純に面白く、美しい。幼稚園児の遠足でも人気の作品でした。

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作品に触りながらはしゃぐ子供たち


【木村剛士+二宮 諒+慶野結香】 会場:イトウビルド管理店舗
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暗闇に浮かぶ作品

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大館市の地形を模した造形には、無数の光ファイバーが埋め込まれ、暗闇に光の点が瞬いています。その造形物:盆地の周りで音を出したり、腰掛けたりすると、光の点に波紋が生まれます。インタラクティブなその作品は、屋外の日の明るさによって然りの強さを変え、まさに今、その時の大館の天候を反映させているようでした。不思議な光の波紋に大人からこどもまで楽しんでいた作品でした。


【折元立身】 会場:モード・サイサク駐車場2階
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展示の様子


「500 GRANDMOTHERS-LUNCH」は、約20年にわたる在宅介護生活の中で実母をモデルに写真や映像を撮り続ける制作を続ける折元が、ポルトガルの古都エボラで開かれた美術展「アレンテージョ・トリエンナーレ」で行った大規模なパフォーマンス作品です。本芸術祭では、元修道院を会場に500人もの地元のおばあさんを集めて昼食会を開いた様子の記録映像を展示しました。
「私はおばあちゃんの存在にこそアートを感じる」と話す折元さん。95歳の母親との20年におよぶ介護と向き合い、つらい介護の現実を楽しい作品として明るく提示してきました。「500人のおばあさんの昼食」というパフォーマンスは、楽しく華やかな老女たちの姿は、年老いてもなお生き生きと、高齢化社会にわと割りつく不安な現実を吹き飛ばしてしまう軽やかさに満ちていました。


【田中良佑】 会場:モード・サイサク駐車場2階
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作品名「Center of my Heart」「若者のすべて」


忠犬ハチ公は犬都・大館のシンボルであり、喫茶「未完成」は半世紀前から街の若者を見つめ続けてきました。どちらも大館市民にとって故郷を形作る重要な要素。二つのドキュメンタリー映像、「Center of my Heart」では、犬になりきった人間が「忠」という意味について延々と語っていて、あたかも犬の言葉を代弁するようなおかしさがありました。「若者のすべて」では、喫茶「未完成」で行われるイベントや、歌に熱い思いを賭ける老夫人の姿が、今も変わらず「若者」であり続ける高齢者の前向きな生き方を伝えていました。

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【藤原佳恵】 会場:モード・サイサク駐車場2階
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会場の様子


昨年に引き続き同会場で制作された地元若手アーティストの藤原さん。水に関する作品を今年も制作しました。
絵の具の希釈液として使われている「水」は、そのどれもが湧水、温泉であり、その土地特有の成分を含んでいます。絵の具と混ぜられたとき、その「水」に含まれる化学物質は、それぞれに違った作用をキャンバスの上で引き起し、時には絵の具の発色をより美しく、または想像を超えて濁った色に。その反応が、この地大館で描いたことの確かな痕跡です。無機質なコンクリートの部屋で、湧水で描かれた絵画はどこまでも有機的な変化を続けていました。

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採取してきた水と作品


【栗原良彰】 会場:旧本多食堂跡地
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公開制作の様子


「里に犬、山に熊。」というメッセージから大館の街に秋田犬のシンボル的大型作品を設置したいという企画のもと、毎年参加頂いている栗原さんが制作しました。
秋田犬「のの」をモチーフに、「デッカい秋田犬」の像を制作。素材には地元企業である北秋容器のスーパーソルを使用しました。会期中も公開制作を行っていましたが、天候等の事情により完成は会期終了後の11月22日となった。作品のお披露目会「のの祭り」には、制作期間中見守り続けた多くの市民が集まり、盛大な会となり、市民に見守られながら完成した作品は、会期終了後も商店街のランドマークとして展示されています。

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完成した「デッカい秋田犬」

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デッカい秋田犬完成お披露目会「のの祭り」にて栗原さんのスピーチ

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栗原さん自ら作ったきりたんぽの振る舞いや餅まきも行われた

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来場者のみなさんと記念撮影 当日は100名以上の人で賑わった


【山﨑千尋】 会場:おもちゃのマルイ旧店舗
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展示作品


会場中央に据えられた大きなガラスの画面に、朧げなかたちが描かれ、ガラスのフレームの左右の壁には蛍光管が立てかけられています。「絵画の即時的で複合的な表現力に大いなる期待を抱き、展示空間から建物へ、建物から街へ、街から空へと作品を展開する。」と、山﨑さんが語るように、危うげな絵の具の形態はガラスのキャンバスを抜け出して、背景となっている壁へと透過し、外へ外へを繋がろうとしているように見えるそんな作品でした。

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【ユゥキユキ】 会場:おもちゃのマルイ旧店舗2階
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展示の様子


ユゥキユキさんは、東北・雪国の妖怪の姿に自ら扮して撮影した写真に、筆による描写を加えた絵画作品を発表しました。かつてたくさんのおもちゃが並び、こどもの夢の国だった会場は、陳列棚もなく、ひっそりとした空間になっている。2階に続く階段を上った踊り場にアンティークな家具や造花に紛れ、作品があります。絵画に添えられた、その妖怪にまつわる物語、迷信・伝承を、おとぎ話のように元おもちゃ屋の隅で誰かが語りかけてくる。そんな不思議な一角を作り出していました。


【佐々木耕成】 会場:大館食品2階
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展示会場

80歳を過ぎ、2010年に巨大な抽象絵画の発表で再デビューを果たした前衛芸術家・佐々木耕成さん。彼は今なお群馬県赤城山麓のアトリエいます。60〜70年代に前衛芸術家として活躍した時代から時を経て、いま再び熱く燃え上がる制作へのエネルギーと思想を、高齢化率トップの秋田において展開してくれました。

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作品を見にきた地元高校生たち


躍動感あふれる線と、落ち着いた、しかし軽やかな色彩で満ちた大画面作品が会場壁面を狭しと埋められました。作品に対峙した時に包まれるような印象を受ける色面の迫力、線のリズム感が、佐々木さんの込めた生命力、躍動感というテーマを余すところなく鑑賞者に伝えていました。86歳、前衛芸術家のエネルギーに圧倒された来場者からは、「簡単な言葉だけど、とにかく元気になれる、そんな作品」と称されていました。


【戸嶋靖昌】 会場:大館食品2階
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展示の様子


かつて北秋田市で育ち、大館にもゆかりのある戸嶋靖昌さん。力強くも緻密に絵の具を重ねた深い表現の人物画は、陰影のコントラストも相まって激しくも深遠な面持ちで見るものに迫ってきます。今回、大館郷土博物館所蔵の人物画6点を展示しました。その筆致の大胆さや、卓越した描画表現を間近に見て鑑賞者は感動していました。

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力強い作品の数々

【石川直樹】 会場:大館食品3階
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展示会場


大館市内でも名湯として知られる赤湯温泉。その赤湯への道程を青森十和田方面から追って、写真作品と石川さん自身の文章で紹介されています。大館市民にとっては見慣れた風景が並び、来場者は自らが見てきた記憶をたどるようにその作品を鑑賞していました。赤湯を懐かしむとともに、オーナーの体調不良による休業で薄れていく温泉郷を思うと、時間の経過を苦く思わずにはいられませんでした。そのほか、同じく大館市内の同祖神、北海道のアイヌの風習を収めた作品が並び、石川作品の根底に民俗学への深い興味が伺える作品が並んでいました。

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大型の展示作品

【中村政人】 会場:旧正札竹村1階ふれあい広場
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旧正札竹村の看板を用いた作品の横から通路への入口があった


大館市の新しい広場として構想された「正札竹村アートセンター計画」は、そのプランと共に、街の名士が語る大館の未来に関するインタビュー映像、アンケートを通して語られる来場者の想いも展示され、その場でその場所を考えるインスタレーションでもありました。展示壁の背後には、倒産から13年ぶりに通路として公開された正札竹村1階フロアがあり、多くの市民が懐かしさを語り合うと共に、今後のこの場所について考える空間となっていました。

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展示会場 通路を通るひとたちの想いが綴られたアンケート用紙が日々壁に貼られたいった


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掃除ワークショップによって通路として一般公開された正札竹村内


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通路を抜けた所にあるハチ公小径ではオープニングパーティーも開催された

【遠藤一郎】 会場:旧まるや/ゼロダテアートセンター
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展示の様子


アーティストと高校生との遭遇から生まれた「言葉」を、人文字という定番の大スケールで表現する『人文字プロジェクト』。
遠藤一郎さんの指揮する人文字は、「そこはウ冠。そこからそこまでは8画目の『はらい』」といったように、その場で文字をイメージしながら仲間と動いて文字を作る。全員の想像力が作る人文字だ。大館は、2016年に統合する3高校合同、900名もの生徒たちで「大・家・族」の人文字を作った。仲間との共同作業はよい思い出になったようで、作品展示会場には高校生が多数来場していた。
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学校グラウンドで指揮をとる遠藤さん

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夏に行われた大館高校でのワークショップの様子

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大館工業高校での様子

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大館桂高校での人文字「家」

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展示作品の前で参加した高校生たちの記念撮影


【日比野克彦】 会場:旧正札竹村屋上
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屋上看板作品「よみかえる時計」


2012年に日比野さんが旧正札竹村屋上でライブペインティングした看板作品「よみかえる時計」。
期間中もこの作品を商店街から見上げる人がたくさんいました。様々な大館の未来への時間を日々刻み続けているのかもしれません。


【藤 浩志】 会場:山国ビル1階
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入口でおもちゃで作られた秋田犬がお出迎え

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「かえっこや」により全国から集められたカラフルなおもちゃが並ぶ

見渡す限りカラフルなおもちゃで埋め尽くされている会場の入り口には、手招きなのか「お手」なのか、前足を差し出す「秋田犬」の彫刻が座っています。まさに「おもちゃの国」に足を踏み入れると、アーティスト・西川祥子さんが常にものづくりに励んでいます。会場のおもちゃを使って、来場者が思い思いの想像力で遊ぶ藤浩志の「おもちゃシアター」は、アシスタントアーティスト西川さんとの交流も含め、市内園児の遠足でも大人気の会場となりました。


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子供に大人気の「おもちゃシアター」(写真左 アシスタントアーティスト西川さん)


【栗 真由美】 会場:田長肥料店管理店舗
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夜の展示会場 作品が街に光を灯した


大町商店街や、大館市内の印象的な建物に街の記憶の断片を見つけ、採取した建物ひとつひとつに明かりが宿り、シャンデリアのように暗室に浮かび上がる「builds crowed」。商店街を歩けば、作品となった建物に出会うことができるため、鑑賞者は建物の明かりをじっくり鑑賞し、見慣れた街の記憶を辿っていました。閉場後の夜間には日中閉じているカーテンが開かれ、ショーウィンドー越し灯る「builds crowed」は、道ゆく人々を楽しませていました。

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作品に見入る子供たち

【普津澤画乃新】 会場:武内金物店管理店舗
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たくさんの大館の人が描かれた作品


ゼロダテ理事長の中村政人、プロジェクトリーダーの石山拓真とともに、2007年、当時20歳の頃に、ゼロダテを立ち上げたメンバーでもあった普津澤画乃新さんが、ゼロダテの人々、大館の人々を描いた作品を展示しました。
モノクロで描かれた「ゼロダテの人々」。2007年、初めて大館大町商店街を舞台に「ゼロダテ」が始まりました。新しい志に集まった仲間たちは、普津澤さんという漫画家のユニークな視点で特徴が捉えられ、独特のデフォルメが描かれた人物の個性を際立たせていて印象的な作品でした。


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〈その他行われたイベント〉

【パトリシア・ピッチニーニ】 会場:大館市立桂城小学校グラウンド
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空に浮かんだ気球作品「sky whale」

今回の芸術祭の目玉のひとつでもあった「Skywhale(空飛ぶクジラ)」は、2013年にオーストラリアの首都キャンベラ設立100周年を記念して作られた、高さ24、長さ36メートルのバルーンアート作品です。ピッッチニーにさんがこれまで生み出した彫刻作品の中でもとびぬけて大きなもので、彼女は「Skywhale」を驚きを生み出す装置、また議論の生成者として捉えています。10月11日には、11:00から気球の係留飛行の準備をしましたが、風の影響でしばらく待機が続きました。風が落ち着き、16:30〜18:30頃まで係留飛行を成功させました。遠方からの鑑賞者や地域住民、小学校の子どもたちが鑑賞し、記念写真を撮るなど驚きと楽しみが溢れるイベントでした。10/11〜13までの3日間開催。

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夜には別の表情を見ることができた

【おかんの祭典】 会場:大町ハチ公小径
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イベント会場


歌や踊り、手芸教室など地元で活動している様々な団体同士が参加することによりお互いの活動を共有し、楽しんで交流できるイベントを目的に開催した「おかんの祭典」。ゲストには今回の芸術祭で「おかんアート」を展開した都築響一さんを迎えて、トークも実施しました。実際に取材したおかんをまじえてのトークは会場を沸かせました。参加者からはぜひともまた開催してほしいとの声もありました。

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トークを行う都築さん

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地元おかんとのトークも盛り上がった


【大館・北秋田芸術祭 全国公募展】会場:大館市樹海体育館
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全国公募展会場

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「全国ポコラート宣言」展示会場

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巨大な作品が並ぶ


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「生(き)の芸術展」の様子

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市民作家展の様子


年前から樹海ドームで実施され10万人の動員のあるきりたんぽ祭りとの同時開催により、展示会場にも約3千人の来場者があったが今年は樹海体育館でのイベントが当公募展のみとなったことにより来場者は少なかったですが、ポコーラート宣言2014、生の芸術・展、地元作家の展示が同会場で行われ、アートに関心を持った来場者の好評を得ました。公開講評会では多数の参加者の方と講師が楽しく交流しながら作品について語り合う場となりました。今回は今までの「ゼロ展」という公募名から名前も変え、様々なジャンルで4部門の公募を行ったことによって多彩な作品が集まりました。


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地元高校生に向けてアドバイスする中村さん

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講師に藤さん、中村さんを迎えた公開講評会は盛況となった

【秋田ゆかりの映画祭】 会場:御成座
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熱意ある民間のかたの力により復活した映画館、御成座。その会場で大館ならではの上映会を行った。
大林宣彦監督のシネマトークは大館にゆかりのあるプロデューサーであり奥様の恭子さんのお話しや、映画と映画館の魅力について制作秘話を交えてお話しいただきました。正札竹村や御成座のような街の文化的象徴をどのように活用していくか、いつかはこの大館で映画を撮影したいと語っていました。
脚本家の加藤正人さんのシネマトークでは脚本家の仕事と吉永小百合さんとのエピソードをお話しいただき、ロケ地としての御成座の活用方法を提案いただきました。2013年にゼロダテのレジデンスアーティストで映画を滞在製作した波田野州平さんの「断層紀」も上映し、大館で撮影した映画を大館の映画館で上映しこの映画に協力頂いた地元の方々や監督本人も感動していました。

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大林監督(写真右)のトーク 大館の映画同好会「絵夢人倶楽部」の越前貞久さんが進行役を務めた


〈スケジュール〉
●10/11
「この空の花 ―長岡花火物語」 
シネマトーク:大林宣彦 監督
「断層紀」
シネマトーク:波田野州平 監督

●10/12
「天地明察」 
シネマトーク:脚本家 加藤正人氏

「季節風の彼方に」

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加藤さん(写真右)のトーク


【平田オリザ アンドロイド演劇】 会場:御成座
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演劇の様子(左がアンドロイド)

公開前から話題となっていた、平田オリザ氏のアンドロイド演劇「さようなら」は、30分の短編劇でありながら、脚本の素晴らしさが大きな感動を生みました。静かに進み見るものの心に深いテーマで訴えかけてくるストーリー、アンドロイドの驚くべき精巧さも見どころで、短い上演時間にもかかわらず、アンケートを見ても高い満足度がうかがえました。会場となった御成座は、市民にとっても思い出の深い場所であり、この会場で観劇できることに喜びの声も多数いただきました。(11/1,2 公演)
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平田さん(写真右)と中村さん(写真左)のトークの様子

【池宮中夫/KENTARO!! 路上パフォーマンス】 会場:大町商店街

昨年度の芸術祭では第一回目の根子フェスで素晴らしいパフォーマンスを見せて下さった両者が今度は大館でストリートパフォーマンスを実施しました。

曇天の芸術祭最終日。あいにくの天気にもかかわらず、池宮さんのパフォーマンススタート地点であるZACにはたくさんの人が集まりました。旧呉服店から登場した池宮さんは、頭からつま先まで段ボール素材のネット状緩衝材でできた衣装に覆われています。ノスタルジックな音楽に合わせて、商店街の中を歩き、踊り、祈りを捧げながら、鑑賞者を引き連れて歩きました。旧正札竹村の1F通路で、パフォーマンスはKENTARO!!さんに引き継がれます。卓越したテクニックで披露されるそのダンスは、旧正札竹村の朽ちた床、柱、残された廃棄物とも呼応しながら、独特の空間を作り上げました。

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池宮さんのパフォーマンス


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KENTARO!!さんのパフォーマンス


【正札コンサート】 会場:ハチ公小径特設ステージ

静まり返る正札竹村の通路を背景に、大館では初のライブという青谷明日香さんの温かい歌声とピアノが響き、コンサートは幕を開けました。
朝から悪天候での屋外開催で、寒い会場ではありましたが、続くサイトウタクヤさんの大館愛溢れるステージでは秋田犬ののも参加し「のののうた」を披露。ドラムの只熊良介さんのサポートと相まって熱い演奏となり会場も盛り上がりました。
コンサートのトリを飾る小沼ようすけさんの演奏は、ギター1本で表現するその圧倒的な空間にお客さんも一気に引き寄せられ、この日初披露という秋田杉で作られたギターでの演奏はさらに会場を盛り上げました。
お客さんは寒さも忘れ、各出演者にアンコールが起こり、最後まで楽しんでいました。

出演:青谷明日香、小沼ようすけ、サイトウタクヤ(with Drums 只熊良介)

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青谷明日香さん


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サイトウタクヤさん

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サポートの只熊良介さん

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スペシャルゲスト 秋田犬のの!


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小沼ようすけさん

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秋田杉のギター

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コンサートが無事おわり中村さんから締めの挨拶

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「ののや」にて打ち上げ みなさん長い期間本当におつかれさまでした

以上、大館の芸術祭のご報告でした。
続いては、北秋田市での様子をお伝えします。



2016年11月

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